第1期電王戦が始まります!人間対コンピュータの勝負の行方は?

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第1期電王戦が2016年4月9日(土)・4月10日(日)から始まります。主催はおなじみドワンゴと日本将棋連盟です。
今年の対戦カードは、第1期叡王戦優勝の山崎隆之叡王対第3回将棋電王トーナメント優勝のPONANZAです。
コンピュータVSプロ棋士ー名人戦と並ぶ将棋ファン垂涎の春の行事として定着した電王戦。今年はどんな熱い戦いを見せてくれるのでしょうか?
ここでは、電王戦の歴史や見所、プレイベントをご紹介したいと思います。

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第1期電王戦の日程と対戦場所

第1局:2016年4月9日(土)・10日(日) 関山 中尊寺
第2局:2016年5月21日(土)・22日(日) 比叡山 延暦寺

共に天台宗の寺院で世界文化遺産に指定されている古式ゆかしい寺院です。
中尊寺と言えば金色堂が有名ですが、もしここで対局が行われたら歴史的な対局になりそうですね。

また、第1局と第2局の間が5週間ほど開くのですが、これは表(裏?)で名人戦が行われていますので、致し方ないところです。

叡王戦とは

電王戦への出場権をかけたプロ棋士の棋戦。出場棋士は現役棋士のエントリー制で、羽生善治名人渡辺明棋王が不参加だったものの、現役タイトル保持者である糸谷哲郎竜王(当時)郷田真隆王将を初め、永世名人資格保持者である谷川浩司九段森内俊之九段などタイトル獲得経験者が目白押し、プロ棋士159名中154名が参加する豪華な棋戦でした。

2015年6月からの段位別予選、10月からの本線、そして12月に行われたトーナメント上位2名による決勝三番勝負で、郷田真隆王将を2連勝で制した山崎隆之八段が、初代叡王として第1期電王戦への出場を決めました。

第1期叡王戦公式サイト

将棋電王トーナメントとは

電王戦への出場権をかけたコンピュータソフトの大会。出場ソフトはエントリー制で28ソフトが参加しました。

2015年11月21日~23日にかけて、予選リーグ・決勝トーナメントが行われ、事前の下馬評通りPONANZAが優勝し、第1期電王戦への出場を決めました。

決勝トーナメントは熱戦に次ぐ熱戦で、特に並列三番勝負で行われた決勝戦の決定局では中盤までPONANZAが劣勢になるなど、総じてコンピュータソフト全体のレベルが恐ろしい勢いで上がっていることを改めて認識する大会でした。

第3回将棋電王トーナメント公式サイト

第1期電王戦の主なルール

・先手後手入れ替えの二番勝負形式。
→何故偶数?引き分けもあり?

・持ち時間はチェスクロック方式で各8時間、2日制で行われます。
→電王戦初の2日制です!持ち時間は竜王戦と同じ8時間!

・封じ手は必ずプロ棋士が行うものとし、18時以降の棋士の最初の着手を封じる。
→コンピュータ側の思考過程が公開されていますから、コンピュータが封じ手をすると興ざめですよね。ただ、「電王手さん」が封じ手を書くシーンは是非とも見てみたかった…。

・封じ手宣言後2日目の対局開始までコンピュータ側の思考を停止する。
→さすがに夜通しコンピュータに読ませるのは人間にとって酷ですかね…。

前回「将棋電王戦FINAL」

プロ棋士の3勝2敗で、電王戦初のプロ棋士の勝ち越しで幕を閉じた電王戦FINALですが、色々物議を醸し出してくれました。キーワードは「コンピュータのバグを突くプロ棋士の是非」ですが、ここでは特に象徴的な第2局永瀬拓也六段対Selene第5局阿久津主税八段対AWAKEの対局を振り返ってみたいと思います。

「将棋電王戦FINAL第2局」永瀬拓也六段対Seleneー狙いすました?角不成(ならず)

いきなり問題の投了図です。

将棋電王戦FINAL第2局投了図

将棋電王戦FINAL第2局投了図。△2七角不成!


88手目後手の永瀬六段が△2七角不成と指した局面ですが、これは取る一手です(▲3八玉は△2八角までの一手詰みですし、▲3七玉も△2六角が痛打です)。王手ですので当然放置はできないのですが、ここでSeleneが△2二銀と着手してしまい、「王手放置」の反則負けになってしまいました。

一線級のソフトであるSeleneに何故「王手放置」という初心者並みのポカが出てしまったのか?ですが、どうやらSeleneが「角の不成」という手を認識できていなかったようです。

銀は不成に好手あり」という将棋の格言がありますが、一般的に銀・桂・香は成ると利きが変わるため(例えば成銀になると斜め下の利きがなくなる)不成で使うことはあっても、角・飛・歩を不成で使うメリットは考えにくく、将棋の手として認識できなかったようです。

局後の記者会見で永瀬六段が、事前の練習将棋で「角不成を認識できないバグ」を知っていた旨コメントされ、一気に空気が悪くなったのですが、局後の研究でこの局面、△2七角不成でも△2七角成でも「後手勝ち」であることがわかり、普通に△2七角成としても勝ちを読み切っていたが、より勝利を確実にするため敢えて△2七角不成を着手した永瀬六段の勝負師としても凄みが滲み出た一局になりました。

「将棋電王戦FINAL第5局」阿久津主税八段対AWAKEー「ハメ手」を指すプロは卑怯者?

こちらもいきなり投了図から。

将棋電王戦FINAL第5局投了図。

将棋電王戦FINAL第5局投了図。10数手後に△2八角が捕獲されることになるため投了となった。


なんと21手で投了対局開始から49分の出来事です。伏線は1手前の△2八角で、この角を打たせると、10数手後に先手が角桂交換の大幅な駒得になります。アマチュア将棋ならそれでもまだまだ一局の将棋ですが、流石にプロ相手に序盤での駒損は厳しく無念の投了となりました。

ただし、この△2八角ですが対コンピュータ対策として「有名な手」で、1か月前のドワンゴのイベント「電王AWAKEに勝てたら100万円!」という企画でも登場した、いわゆる「ハメ手」であることが話題になりました。

「アマチュアが指した「有名なハメ手」をプロ棋士が指すことの是非」が問われた一局です。しかし実際に着手の決断をした阿久津八段も、他人が想像できないほどの苦悶があったであろうことが容易に想像されます。

この「将棋電王戦FINAL」は全5局の団体戦で争われ、第4局まで2-2のタイスコアで進行し、最終局で「人間対コンピュータ」の決着がつく対局だっただけに、大将である阿久津八段の勝負師としての決断に敬意を表したいと思います。

第1期電王戦の対戦者(ソフト)紹介

山崎隆之八段

1981年生まれの35歳。順位戦はB1、竜王戦は2組所属。残念ながらタイトル取得経験はありませんが、2009年の王座戦では羽生王座への挑戦権を獲得したこともある(結果は3連敗でタイトル獲得ならずでした…)バリバリの精鋭棋士です。

広島出身の森信雄門下で、故村山聖九段の弟弟子にあたります。棋風は独創的な居飛車党として知られ、佐藤康光九段をして

「山崎将棋は独創と信念を感じる。彼くらい人まねをしない人も珍しい。よほど感性が豊かなのでしょう」

『 NHK杯伝説の名勝負 次の一手』より引用

と言わしめた、「尖がった棋士」の一人です。

PONANZA

強い!とにかく強いソフトです。開発者は山本一成氏と下山晃氏。山本氏は将棋のアマ強豪としても有名で、更に個性豊かな「キャラの立つ」人物です。

電王戦では、佐藤慎一四段(当時)、屋敷伸之九段、村山慈明七段に勝利。何かと番外の話題が多い電王戦の中で、常に正面から一線級のプロ棋士をねじ伏せてきました。

開催予定のプレイベント

毎回秀逸なPVなどで盛りあがてくれる電王戦ですが、現在開催が予定されているプレイベントは以下の通りです。

電王戦特番#1 徹底解剖 山崎隆之叡王

2月28日 電王戦特番#1 山崎叡王の足跡

<感想>2月29日追記
山崎叡王生誕から35歳の現在に至るまでの足跡を、弟弟子の糸谷哲郎八段と師匠の森信雄七段でたどる特番。2時間30分に渡って関西将棋会館からの生放送でした。

司会はお馴染みの山口恵梨子 女流初段。「噛んでないよ~」のコメントが推定500回は流れる(笑)ほのぼのとした内容です。

現段階では、対PONANZA対策はあまり進んでいない印象を受けましたが、そこは「感性の勝負師」、思う存分「人間力」を見せつけていただきたいと思います。

【将棋】電王PONANZAに勝てたら300万円!挑戦者求む! 1日目

3月12日 【将棋】電王PONANZAに勝てたら300万円!挑戦者求む! 1日目

<感想>3月12日追記
昨年の100万円から300万円にアップグレードした本企画。初日は残念ながら300万円獲得者は現れませんでした。

が、「先手が矢倉に組むと、無理攻めをしてくる」「角道を開けずに△3二金の壁形を平気で作る」「手損かつ妙な手順で穴熊に組んでくる」など、PONANZAの癖が露わになった一日でもありました。

一方、昨年話題になった「ハメ手」はPONANZAには通用しないようです…。

やはり対コンピューター将棋には「入玉」が有効な手段のようで、相穴熊で後手のPONANZAが4枚穴熊になりそうな対局があったのですが、解説の村山慈明七段が「私なら穴熊から抜け出して、入玉を狙いますね」と語られていたのが、「3月のライオン」で穴から抜け出してくる熊ちゃんのシーンを連想させて笑えました。

【将棋】電王PONANZAに勝てたら300万円!挑戦者求む! 2日目

3月13日 【将棋】電王PONANZAに勝てたら300万円!挑戦者求む! 2日目

<感想>3月14日追記
300万円チャレンジ企画の2日目。計42局、2日併せて79局の対局が行われましたが、残念ながら300万円獲得者は現れませんでした。

稲葉 聡アマ七段(昨年の将棋電王戦FINAL第3局でやねうら王と対局し敗れたプロ棋士の稲葉 陽八段の兄)や、3月13日に行われた第39期朝日アマチュア将棋名人戦の上位4名による飛び入り(?)対局など、アマチュア界のトップ棋士を相手に79連勝!

PONANZAに勝つことができる人類は本当にいるのでしょうか?あまりにも強すぎます!

電王戦特番#2 対コンピュータ将棋塾

3月27日 電王戦特番#2 山崎叡王VSやねうら王 真剣対談

<感想>3月28日追記
山崎隆之叡王とやねうら王開発者 磯崎元洋氏の対談。司会は村田智穂女流二段、ゲストに棋界で最もコンピューター将棋に詳しく(?)、今回の電王戦では山崎八段のブレーン役(?)の千田翔太五段 を迎え、関西将棋会館から2時間強の生放送でした。

SNSの好き嫌いからAIの未来まで盛りだくさんの内容でしたが、本番まで2週間を切った対PONANZA戦に関しては、山崎八段は今一つ自信無さげな印象を受けました。

今年のPONANZAの電王戦バージョンには定跡が全く入っておらず、初手からびっくりする手を指す確率が20%程あるとのことで、事前研究の意味があまり無いようです。

それでも、PONANZAの差し手の傾向はある程度把握されているようで、序盤の微差のリードを保ったまま終盤までもつれこめば、残り時間次第では面白い勝負が見られるかと思います。そう思いたい…。

電王戦特番#3 最終決戦に向け作戦会議

4月16日 電王戦特番#3 最終決戦に向け作戦会議

いずれもニコニコ生放送で放送予定です。詳細は第1期電王戦公式WEBサイトからご確認ください。

★当ブログの電王戦関連記事はこちらから

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